「高校生になったけれど、英語の勉強が不安」「高校で英語を得意になって、大学受験で成功したい」
そんな悩みを抱える方に向けて高校での英語の勉強法を解説します。
<この記事を書いている人>
早稲田大学卒業後、私立中高で10年ほど英語を教えている教員です。
長期留学はせず、日本にいながら英語を学んできました。
TOEICスコアは920。オンライン英会話を6年間継続しています。
高校生になると急に英語が難しくなりますよね。
教科書は分厚くなり、中学の頃と比べて会話文も少なくなります。
見開きいっぱいの英文を見て、「私、大丈夫かな・・・」
そんな不安を抱くことはありませんか?
これまで教員をしていて、そんな不安を抱く生徒をたくさん見てきました。
そんな方の不安を少しでも取り除けるように、高校での英語勉強法を解説します。
「読む」「書く」「聞く」「話す」といった4技能ごとにおすすめの勉強法を解説するので、是非参考にしてください。
・高校での英語の勉強法を網羅的に知ることができる
・学校の授業や家で、どんな英語の勉強をすれば良いのかが分かる
なぜ高校で英語を勉強することが重要なの?
高校生が英語を勉強すべき理由は以下の通りです。
- 論理的に考えられる年齢だから
- 英語ができると大学受験で有利だから
- 広い視野を持って考えられるようになるから
1つ1つ解説していきます。
高校生は論理的に考えることができる時期
論理的に考えられると、英語を理解しやすくなります。
成長するにつれて、論理的思考力が身に付いてきます。
高校生になると論理的に考えられるようになり、複雑な英文法や、まとまった長文を理解できるようになります。
そんな成長盛りの高校生のうちに英語を勉強することによって、飛躍的に英語力を伸ばすことができるのです。
英語ができると大学受験で有利になる
「大学受験では英語が重要」というのは聞いたことがあるのではないでしょうか。
これまで10年以上教員をしていて、実際にそう感じます。それは以下の理由からです。
- 英語の配点が高い大学が多いから
- 差がつきやすい科目だから
- 一度高得点を取れるようになると点数が安定するから
英語が得意な生徒は大学受験でも成功している傾向があります。
大学受験をするのであれば、英語の勉強に力を入れるべきでしょう。
広い視野を持って考えられるようになる
英語の勉強によって得られるものは、スピーキング力といった英語力だけではありません。
学ぶ過程で、様々な分野の背景知識を身につけたり、英語圏特有の考え方を身につけることができます。
また、海外の人々と話すことによって、これまでとは違った視点から世界を見ることができるようになります。
このように、英語を学ぶことによって広い視野で考えられるようになるといったメリットがあります。
高校の英語ってどんなことを習うの?
高校では英語をどのように学ぶのでしょうか。
文科省が平成30年に告示した学習指導要領によると、外国語の目標に関しては以下のように書かれています。
第1 目 標
高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説
外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動及びこれらを結び付けた統合的な言語活動を通して,情報や考えなどを的確に理解したり適切に表現したり伝え合ったりするコミュニケーションを図る資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
「聞くこと、読むこと、話すこと、書くこと」といった4技能をバランス良く学ぶことが求められていることが分かります。
こうした4技能を高校での英語の授業等を通じて伸ばす必要があるのです。
では、高校の英語の授業ではどんなことを学ぶのでしょうか。
学習指導要領の改訂に伴い、令和4年度から科目名が変更となりました。
高校では、「英語コミュニケーション」「論理・表現」といった授業を中心に、4技能を伸ばすことが求められます。
英語コミュニケーションってどんな授業なの?
英語コミュニケーションでは、主に4技能5領域を伸ばすことが求められます。
5領域とは、「聞くこと、読むこと、話すこと[やり取り]、話すこと[発表]、書くこと」です。
これまで様々な教科書を見てきましたが、様々なテーマの長文を含んだ教科書が多いです。
学校によって異なりますが、授業中は以下のようなことを行う場合が多いです。
- 新出単語の発音や意味を理解する
- 本文の内容を理解する
- 音読やシャドーイングを通じて定着させる
- 本文の内容に関して友人とやり取りをする
- テーマに関する内容のスピーチをする
論理・表現ってどんな授業なの?
英語コミュニケーションが4技能5領域を伸ばすことを目標にしているのに対して、
論理・表現では「話すこと[やり取り]、話すこと[発表]、書くこと」の2技能3領域を伸ばすことを目標にしています。
英文法に関する知識を身につけ、論理的に表現することが求められます。
論理・表現の教科書だけでなく、英文法の問題集を配布するような学校も多いイメージです。
リーディング力の伸ばし方
リーディングを伸ばすためには、まずは英単語を見た瞬間に意味が頭に浮かぶ状態にしなければなりません。これを単語の知識の「自動化」といいます。
なぜなら、即座に英単語の意味が分からなければ、英文の意味を考えたり、長文の段落ごとの意味を考えたりする余裕がなくなってしまうからです。
「自動化」のためのトレーニングとしておすすめなのが、音読です。
家で英語の復習をする際や、問題演習の後に答え合わせをする際には必ず音読をするようにしましょう。
リーディング力を伸ばすのにおすすめの参考書
リーディング力を伸ばすためには、自分のレベルに合った英語長文を読む必要があります。
レベルごとに分かれた英語長文の問題集でおすすめするのが、東進ブックスの『英語長文レベル別問題集』です。
解説がしっかりしており、文構造なども理解することができます。QRコードを読み込むことによってネイティブの音声を聴くことができるので、正しい発音で音読練習をすることもできます。
レベル1~6まであるので、自主的に進めることによって周りと差をつけることができるでしょう。
英語長文読解力の鍛え方についてさらに知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
ライティング力の伸ばし方
ライティング力を伸ばすためには、正確な和文英訳をできるようになる必要があります。
自分が自信を持って書ける英文の量を増やしていけば良いのです。
正しい英文を書くためのトレーニングとしておすすめなのが、並び替え問題をたくさん解くことです。
だんだんと慣れてきたら、和文を見て英語に直すトレーニングをしてみましょう。
また、becauseやbutといった接続詞を使って論理的な構成にすることも大切です。
普段から英文を読む際に、どのように接続詞が使われているのかを気にすると良いでしょう。
ライティング力を伸ばすのにおすすめの参考書
上で述べた通り、ライティング力を伸ばすには、正確な和文英訳をすることが必要です。
和文英訳でおすすめの参考書は『基礎英作文問題精講』です。
『ドラゴン・イングリッシュ基本英文100』の著者で、予備校講師である竹岡広信先生によって書かれています。
英作文を書くために必要な構文を学べるだけでなく、論理の組み立て方についても学ぶことができます。解説もしっかりしているので、独学でライティング力を伸ばしたい人におすすめです。
リスニング力の伸ばし方
リスニング力を伸ばすためには、音声を聴いた瞬間にその単語や文が頭に浮かぶ状態にしなければなりません。そういった過程を自動化する必要があるのです。
そうしなければ、リスニングした英文がどんな意味を表しているのかといったことを考える余裕がなくなってしまうのです。
そういった「自動化」のためのトレーニングとしておすすめなのがシャドーイングです。
シャドーイングとは、音声を聴いた瞬間に、その英文をまねして声に出すことです。
リスニング力を伸ばすのにおすすめのサイトや参考書
上で述べたように、リスニング力を伸ばすためにはシャドーイングがおすすめです。
学校の授業で使う教科書の音声を使って、シャドーイングをすると良いでしょう。
また、BBC Learning Englishなどの学習者用サイトを活用すると、実際に使われる英語を学ぶことができます。
参考書を使って学習したい方は『大学入試 全レベル問題集 英語リスニング』がおすすめです。レベル別になっているので、自分に合った問題集を選ぶことができます。
QRコードを読み取ることで音声を聴くことができるので、CDをパソコンに取り込むといった作業が必要ありません。
スピーキング力の伸ばし方
スピーキング力を伸ばすためには、実際に話すことが最大の近道です。
授業中に英語を話す機会があれば、間違えを気にせず、積極的に話すようにしましょう。
学校にネイティブがいれば、授業の前などに英語で話しかけてみるなどして、話す機会を少しでも増やす努力をするべきです。
スピーキングは独学で伸ばしにくい
学校では英語を話す機会が限られているため、学校の授業だけで英語を話せるようにはなりません。
また、英語を話す相手が必要なため、参考書等を使った独学がしにくいです。
もし高校に留学の機会があるならば、短期留学でも良いのでチャレンジしてみるのもおすすめです。
日本にいながら話せるようになりたいのであれば、英会話を習うといった選択肢も検討すべきでしょう。
忙しい高校生であれば、オンライン英会話がおすすめです。
オンライン英会話に関しては、別の記事を参考にしてください。
予備校に通わずに英語を学ぶのならば、スタディサプリがおすすめ
高校生から受ける質問で特に多いのが、「予備校って通った方がいいですか」です。
私の意見では、学校の授業が理解できており、物足りないのでさらに勉強したい!といった生徒であれば、予備校に通うのも良いかと思います。
そうではなく、学校の授業があまり理解できていないのであれば、予備校に通う前に、まずは学校の授業をきちんと理解できるように努めることが必要です。
予備校の代替案としておすすめなのがスタディサプリです。
予備校と比べて安く、受験で必要なすべての科目の講義を受けることができます。
まとめ⇒未来のために英語を勉強しよう
高校生が英語の4技能を伸ばす方法を解説してきました。
まとめると、以下の通りです。
- リーディング力⇒音読をすべき
- ライティング力⇒和文英訳の練習をすべき
- リスニング力⇒シャドーイングをすべき
- スピーキング力⇒話す機会をとにかく増やすべき
高校生は、大学受験といった目先の目標のために英語を勉強しがちです。
もちろん大学受験は大切ですが、英語を学ぶと、人生がより楽しくなります。
英語ができれば、世界中の人々と会話をすることができるようになります。
そんな、素敵な未来のために、是非英語の勉強を頑張ってくださいね。
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