「英語の模試ってどのように対策したらいいのだろう」
今回は、そんな疑問にお答えします。
早稲田大学卒業後、私立中高で10年ほど英語を教えている教員です。
長期留学はせず、日本にいながら英語を学んできました。
TOEICスコアは920。オンライン英会話を6年間継続しています。
- 大学受験生向けの模試の種類
- 点が取れない理由
- 出題傾向や対策法・復習法
- よくある質問と回答
大学受験勉強をする高校生にとって、模試は自分のレベルを確認する大切なツールです。
模試をうまく活用できるかどうかで、受験勉強の質が変わってきます。
この記事を読むことで、模試の基礎知識や、対策法を身につけることができ、効率的に点数や偏差値を伸ばすことが可能です。
模試で点を取りたい高校生に必見の内容となっておりますので、是非最後までご覧ください。
模試はどんな種類があるの?
大学受験に向けた模試には様々な種類があります。
ここでは以下の4つをご紹介します。
- 進研模試
- 河合模試
- 東進模試
- 駿台模試
進研模試
進研模試はベネッセが運営する模擬試験です。
高校1~3年生を対象に実施されます。
毎年7月・11月・1月の計3回実施される記述模試です。
高校3年生は記述式のテストは4月・7月・10月に、マーク式は6月・9月・11月に実施されます。
模試の結果は偏差値だけでなく、S1~D3の15段階によるGTZ(学習到達ゾーンの略)で評価されます。
原則として学校を通じての申し込みとなるため、個人での申し込みはできません。
受験者数も多く、信頼性の高い模試となっています。
河合模試
河合模試は河合塾が実施する全国統一模試のことです。
以下のように5種類の模試があります。
対象 | 実施回数 | |
大学入学共通テスト対策 | 高2、高3、高卒 | 年3回 |
国公立大二次・私立大入試対策 | 高2、高3、高卒 | 年3回 |
難関大入試対策 | 高1、高3、高卒 | 年1回 |
特定大入試対策 | 高3、高卒 | 大学による |
早期入試対策 | 高1、高2 | 高1は年4回 高2は年3回 |
こちらも受験者数が多く、信頼性の高い模試です。
志望校を記入することで、合格可能性評価を受けることができます。
模試によっては浪人生が受けられるものがあり、難易度も進研模試より高めとなっています。
東進模試
東進模試は大手予備校である東進が実施する模試です。
以下のように様々な種類の模試があります。
対象 | 実施回数 | |
共通テスト本番レベル模試 | 高1、高2、高3、高卒 | 年4回 |
大学合格基礎力判定テスト | 高1、高2、高3、高卒 | 年4回 |
早慶上理・難関国公立大模試 | 高3、高卒 | 年5回 |
全国有名国公私大模試 | 高3、高卒 | 年5回 |
全国統一高校生テスト | 高1、高2、高3 | 年2回 |
本番レベル模試 | 高3、高卒 | 大学による |
医学部82大学判定テスト | 高3、高卒 | 年2回 |
高校レベル記述模試(高2)(高1) | 高1、高2 | 年2回 |
共通テスト同日体験受験 | 高1、高2 | 年1回 |
大学入学共通テスト「情報Ⅰ」体験模試 | 高1、高2(中学生も可) | 年3回 |
同日体験受験 | 高1、高2 | 年1回 |
直近日体験受験 | 高1、高2 | 年1回 |
非常に多くの種類の模試があるので、自分に合った模試を受けることができるのが特徴です。
一部の模試では浪人生の受験が可能であり、高卒1年目まで受験できる場合があります。
同日模試や近日模試など、大学ごとの模試が充実しています。
駿台模試
駿台模試は、駿台予備学校が実施している模試のことです。
以下のような種類があります。
対象 | 実施回数 | |
駿台全国模試 | 高1、高2、高3、高卒 | 年3回 高3、高卒は年2回 |
大学別入試実戦模試 | 高2、高3、高卒 | 大学による |
共通テスト対策模試 (駿台atama+共通テスト模試、 駿台・ベネッセ大学共通テスト模試、 駿台atama+プレ共通テスト) | 高3、高卒 | 年5回 |
駿台atama+学力判定テスト | 高1、高2 | 年6回 |
駿台の全国模試は、他の全国模試と比べても非常にレベルが高くなっています。
浪人生が受けられるものも多く、難易度も高いのが特徴です。
ハイレベルな問題を解いて実力を試したいという生徒に向いているでしょう。
なぜ模試英語で点が取れないのか?
ここでは、模試の英語で点数が取れない原因についてご紹介します。
模試の英語で点を取れないのは以下の5つが主な原因です。
- 単語の知識が足りていないから
- 英文法の知識が足りていないから
- 英文解釈ができていないから
- 長文の背景知識が足りていないから
- 普段から英語を音読していないから
それぞれ詳しく解説していきます。
単語の知識が足りていないから
英単語の知識は、模試の英語を解く上で必須です。
単語が分からなければ、長文問題だけでなく、英文法や会話文など、あらゆる問題に対応できません。
高校の模試であれば、中学校で習った単語に関しては完璧にする必要があります。
また、模試までに学校の授業で習う単語に関してもしっかりと理解しておくべきしょう。
英文法の知識が足りていないから
英文法の知識が足りていなければ、英文を正確に理解することができません。
また、英文法の問題にも対応できないでしょう。
こちらも英単語と同様に、最優先で身につけるべき知識です。
英文法に対して不安がある方は、中学英文法の総復習から始めるといいでしょう。
英文解釈ができていないから
英文解釈とは、英文の主語や動詞を把握し、正確に英文を理解することです。
模試の英語では、英単語や英文法の知識を利用して、少し難しい英文を正確に理解することが必要です。
英文解釈ができなければ、模試英語の長文読解で高得点を狙うことが難しくなります。
そのため、模試英語で高得点を狙うのであれば、しっかりと英文解釈のトレーニングをする必要があるでしょう。
長文の背景知識が足りていないから
ある程度基礎が身についているにもかかわらず、模試英語で点が取れない場合は、長文の背景知識が足りていない可能性があります。
長文のテーマに関する背景知識があれば、英語長文がかなり読みやすくなります。
そのため、ある程度基礎が身についたら、大量に長文問題に取り組み、背景知識を増やす必要があるでしょう。
普段から英語を音読していないから
模試の英語で高得点を取るためには、英文を速く正確に読む必要があります。
そのために必要なトレーニングは音読です。
音読を何度もすることによって、英単語を瞬時に理解することが自動化され、英文の解釈や、長文の理解といったことに注意を向けることができるようになります。
普段から英語を音読することを習慣にすると良いでしょう。
模試英語の出題傾向(進研模試を参考に)
では、模試英語ではどんな問題が出題されるのでしょうか。
ここでは、進研模試を参考にしながら、模試英語の出題傾向を解説します。
進研模試では以下の問題が出題されます。
- リスニング問題
- 会話文問題
- 文法問題
- 長文読解問題
- 英作文問題
リスニング問題
リスニング問題と会話文問題は選択問題となります。
年によって異なりますが、以下のような問題が出題されます。
- 会話とそれに対する質問を聴いて、選択肢を選ぶ問題
- 英文を聴いて、内容をまとめて英語で答える問題
話される英文の難易度はそこまで高くありませんが、リスニングに慣れている必要があります。
普段から学校の授業で使われる教科書の音声を聴くなどして、リスニングをする習慣をつけておきましょう。
会話文問題
上で述べたように、リスニング問題と会話文問題は選択問題となります。
会話文問題は、英語の会話文を読んで、流れに合う表現を選ぶような問題が多く出題されます。
こちらも難易度はそこまで高くありませんが、普段から会話文に慣れておく必要があります。
まずは、学校で使われる教科書レベルの会話文をしっかりと理解できるようにするべきでしょう。
文法問題
文法問題は、主に以下のような問題が出題されます。
- 4択の空欄補充問題
- 並び替え問題
空欄補充問題では、文法や語法を問う問題が多く出題されます。
また、並び替え問題では、間接疑問文などといった語順が難しいものを問う問題が出題されやすいです。
高得点を取るためには、学校の教科書レベルを理解した後に、問題集を活用するなどして演習問題に取り組むと良いでしょう。
長文読解問題
進研模試では、例年長文読解問題が2題出題されます。
1つは小説のような内容で、もう1つは論説のようなものである場合が多いです。
かなり配点も高いため、しっかりと点を取りたい設問になります。
速く正確に英文を読まなければならないため、英単語や文法といった基礎知識だけでなく、長文読解に対する慣れも必要となるでしょう。
英作文問題
進研模試の英作文問題では主に以下のような英作文問題が出題されます。
- 和文英訳問題
- 写真を見て状況を把握し、英語で説明する問題
このほかにも、年や受験学年によっては、自分の意見を書くような問題が出題されます。
まずは、文法的に正しい英文を書けるようにする練習をすると良いでしょう。
模試英語の対策方法【当日と普段やるべきこと】
上で述べたように、模試の英語では以下のような問題が出題されます。
- リスニング問題
- 会話文問題
- 文法問題
- 長文読解問題
- 英作文問題
ここでは、それぞれの問題の対策法についてご紹介します。
すぐに得点を上げるための対策法と、普段からできる勉強法について解説します。
リスニング問題の対策方法
リスニング問題で点を取るためにおすすめなのが、先に問題文に目を通しておくことです。
先に問題文や選択肢に目を通しておくことで、リスニングの内容を予測したり、リスニングで意識すべき部分をはっきりさせることができます。
普段の勉強法としては、教科書や参考書の英文を聴くだけでなく、音読をすることが大切です。
「教科書ではイマイチやる気が出ない」という方は、参考書を買ってみるのも良いでしょう。
会話文問題の対策方法
会話文問題を解く際には、会話の流れを把握することが大切です。
「誰がどのような意図を持って発言しているのか」を気にしながら問題を解くことがおすすめです。
普段の勉強方法としては、会話表現の問題を実際に解くことが効率的です。
文法や語法の問題集に会話表現の問題が含まれているので、そういった問題を繰り返し解いて対策しましょう。
文法問題の対策方法
文法問題は、4択の空欄補充問題が出題されることが多いです。
4択の選択肢を選ぶ際には、消去法で正解を選ぶことをおすすめします。
「なぜこの選択肢が間違っているのか」ということを常に考えながら解答するようにしましょう。
文法問題は、知っていれば解ける問題ばかりなので、普段から演習を行うことが大切です。
参考書を用いて、何度も文法問題を解くと良いでしょう。
長文読解問題の対策方法
長文を読む際には、段落ごとにメモを取りながら読むのがおすすめです。
また、逆接や理由を表すディスコースマーカーに丸をつけ、文脈に気を付けながら読むことによって、理解度が上がるでしょう。
英語長文を読むためには、英単語といった基礎知識を身につけた上で、何度も長文読解の演習を行うことが必要です。
普段から、単語を覚える習慣や、自分のレベルに合った英語長文を読む習慣をつけるようにしましょう。
英作文問題の対策方法
英作文問題では、主に日本語を英語に直す問題が出題されます。
まずは、いきなり英語に直すのではなく、英語に直しやすい日本語に変換してみましょう。
それから英語を考えることによって、ミスを減らすことができます。
普段の勉強では、「英語に直しやすい日本語を考えるトレーニング」を行うのがおすすめです。
以下のような問題集を使ってトレーニングをするのが良いでしょう。
模試英語の復習3ステップ
ここでは、英語の模試を復習する方法を3ステップでご紹介します。
- ステップ①その日のうちに模試の自己採点をする
- ステップ②解説を読んで正答に至るプロセスを確認
- ステップ③模試の長文を音読する
それぞれ詳しく解説していきます。
ステップ①その日のうちに模試の自己採点をする
模試を受けたその日のうちに自己採点をすることが大切です。
なぜなら、時間とともに「どのように解いたのか」を忘れてしまうからです。
模試終了後に解説の冊子をもらうことができるので、すぐに自己採点をしましょう。
ステップ②解説を読んで正答に至るプロセスを確認
模試の自己採点をして満足してしまう高校生が多いです。
しかし、それでは模試の得点は伸びません。
自己採点をした後は、解説を読んで、考え方をチェックすることが必要です。
特に長文問題では、日本語訳もしっかりと確認し、読めなかった部分を復習するのが良いでしょう。
ステップ③模試の長文を音読する
模試の長文は様々なジャンルに分かれており、大学受験で頻出の単語や文法が豊富に含まれています。
そのため、音読の教材にはぴったりです。
まずは解説を読んで長文の意味を確認し、すべての英文が理解可能な状態になった後で音読をしましょう。
分からない発音があれば自分で調べ、正しい発音で音読をすることが必要です。
目安として、1つの長文を3回ぐらい音読するのが良いでしょう。
模試英語では英語長文の配点が高い
模試英語では、英語長文の配点が高くなっています。
そのため、英語長文を攻略することが、模試で高得点を取ることにつながります。
ここでは、英語長文で点を取る方法についてご紹介します。
英語長文読解のコツ
英語長文読解で高得点を取るコツは以下の5点です。
- 【コツ①】問題文を先に読んで内容を予測する
- 【コツ②】ディスコースマーカーに注意して読む
- 【コツ③】パラグラフごとにメモを取りながら読む
- 【コツ④】分からない単語は文の流れで予測する
- 【コツ⑤】消去法で問題を解くようにする
上記のようなコツを意識すると、模試当日に英語長文が読みやすくなるでしょう。
英語長文読解のコツについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
英語長文の勉強法5ステップ
英語長文読解で点を取るためには、コツだけではなく、普段からしっかりと勉強をすることが大切です。
普段からすべき勉強法は以下の5ステップです。
- 基礎知識を身につける
- 正確に訳すトレーニングをする
- 自分に合ったレベルの長文を読む
- 速く正確に読むトレーニングをする
- 多読をして背景知識を広げる
こういった勉強法をしっかりと続けることができれば、着実に読解力を身につけることができるでしょう。
英語長文読解の勉強法について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
おすすめ英語長文問題集
英語長文でしっかりと得点するためには、正確に英文を読み取ることが必要です。
「英文をなんとなく訳してしまう」
そんな方におすすめの問題集が『入門英文問題精講 4訂版』です。
72問の問題演習に取り組むことで、英文を正確に訳すことができるようになります。
正確に訳すことによって、長文の内容に関する問題が解けるようになります。
さらに英語長文読解力を伸ばす問題集について知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
予備校に行かずに模試英語を対策するならスタサプがおすすめ
模試英語で高得点を取るためには、参考書等を用いて長文読解力を鍛えることが必要ですが、参考書を選ぶ手間がかかります。
また、予備校に行って対策することもできますが、多くの費用がかかります。
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模試英語に関するよくある質問と回答
ここでは、模試英語に関するよくある質問と回答をご紹介します。
模試の英語が全くできない人は何から始めるべき?
まずは中学で習った英単語や文法の復習から始めるべきでしょう。
おすすめの問題集は、『高校入試 でる順ターゲット 中学英単語1800』と『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』です。
こういった基礎が身につけた上で、高校の単語や文法を学ぶ必要があります。
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』の詳しい使い方は、別の記事を参考にしてください。
予備校に通った方がいいのか?
結論から言うと、人によります。
予備校のメリットは、講師やチューターなどがいるため、強制力が働く点です。
自分で計画を立てるのが苦手な方や、アドバイスが欲しい方は予備校に通った方が、勉強の効果が出るでしょう。
費用を抑えたい方は、上で挙げたスタディサプリの合格特訓コースを検討するのも良いでしょう。
合格特訓コースでは、担当のコーチがプランを提案したり、アドバイスをくれたりします。
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単語は分かるのに英語長文が読めない時はどうすれば良いのか?
英語長文を読むためには、ボトムアップ処理とトップダウン処理をバランス良く行って内容を理解する必要があります。
- ボトムアップ処理:小さな単位の情報をつなぎ合わせて全体を理解しようとする処理
- トップダウン処理:文章全体といった大きな視点から細部を予測しようとする処理
そういった処理ができるようになるために以下の3つに取り組むのが良いでしょう。
- 単語の知識を自動化させる
- 文法の知識を自動化させる
- 自分に合った長文を音読する
単語は分かるのに英語長文が読めない時の対処法について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
ここまで、英語の模試の基礎知識や対策法を解説してきました。
上で紹介した勉強法を実践できれば、効率的に模試で点を取ることができるでしょう。
ただし、独学に不安がある場合には予備校などの選択肢も視野に入れる必要があります。
「予備校は高いから。。」とお考えの方は、スタディサプリなどを活用するのもおすすめです。
自分に合った勉強法を見つけ、大学受験合格に向けて、しっかりと勉強を継続しましょう。
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