英語の長文読解の出来が大学入試の合否を左右します。それほどまでに大切なのが英語の長文読解対策。
しかし、英語の読解力を伸ばすために何をすれば良いのか分からなくて迷っている高校生も多いのではないでしょうか。
そんな高校生のために、現役教員である私が、読解力を伸ばす勉強法を紹介します。
早稲田大学卒業後、私立中高で10年ほど英語を教えている教員です。
長期留学はせず、日本にいながら英語を学んできました。
TOEICスコアは920。オンライン英会話を6年間継続しています。
・大学受験でなぜ英語長文読解力が必要なのかを知ることができる
・大学受験で必要な英語長文読解力を伸ばす方法を知ることができる
なぜ英語長文読解力を伸ばすことが大学受験で重要なの?
結論から言うと、多くの大学で入試における英語の配点が高く、その中でも長文の割合が高いからです。以下は早稲田大学社会科学部の2023年度入試科目と配点です。
科目 | 配点 |
外国語 | 50 |
国語 | 40 |
地歴または数学 | 40 |
早稲田大学だけに限らず、多くの大学では英語の配点が高くなっています。また、英語の問題の中でも、長文読解で差がつきやすくなっています。
そのため、英語の長文読解力を鍛えることが、大学受験で合格するために非常に重要となるのです。
英語長文読解で点を伸ばすためには「速く」「正確に」読むことが必要
英語長文問題で高得点を取るためには、「速く」「正確に」読むことが必要です。
難関大学になればなるほど、長文の分量が多く、速く読む能力が求められます。
また、内容一致問題などに対応するために、正確性も求められます。
受験生は、「速さ」と「正確さ」を身につけられるような勉強法が必要となるでしょう。
英語長文読解が苦手な人の特徴
では、英語長文読解が苦手な人はどんな人が多いのでしょうか。これまでの経験から、以下の特徴が挙げられます。
- 英単語・英熟語の知識が不足している
- 英文法の知識の知識が不足している
- 英語構文に関する知識が不足している
- 精読ができない
- 速読ができない
- 長文の背景知識が足りない
上に挙げたようなことができるようになれば、「速く」「正確に」読むことができるようになるでしょう。
英語長文読解力を伸ばす勉強法【5ステップ】
それでは、英語長文読解力を伸ばす勉強法を5ステップで解説します。
- 基礎知識を身につける
- 正確に訳すトレーニングをする
- 自分に合ったレベルの長文を読む
- 速く正確に読むトレーニングをする
- 多読をして背景知識を広げる
1. 基礎知識を身につける
ここで言う基礎知識とは、英単語や熟語、英文法を指します。
新しい学習指導要領では、小学校で600語~700語、中学校で1600語~1800語、高校で1800語~2500語を学ぶことになっています。
つまり、大学受験では、これらの合計である約4000~5000語を身につけておく必要があります。
また、文法に関しては、文型や品詞と言った英文を構成する要素について知っているだけでなく、時制や助動詞、仮定法などといった中学や高校で習う英文法の知識を身につける必要があるのです。
おすすめの問題集・参考書
大学受験で必要な英単語を身につけるのにおすすめの参考書は『英単語ターゲット』です。
これまで様々な単語帳を使ってきましたが、執筆時点で一番おすすめできるのがターゲットです。
おすすめする理由は、無料アプリで単語の音声を聴くことができるからです。また、英単語のクイズに答えることもできます。
他の単語帳だと、音声に関しては別売りになっていることも少なくありません。
学習者のことを考えた、非常に使いやすい単語帳だと思います。レベル別になっているので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
英文法を学ぶのにおすすめの参考書は、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版』です。
高校の英文法を学ぶ前に、中学の英文法がしっかりと身についている必要があります。中学までの英文法が身についていれば、高校の英文法はそこまで難しくありません。
様々な問題集に手を出す前に、中学までの基礎知識をしっかりと固めましょう。
本書の詳しい使い方は別の記事を参考にしてください。
2. 正確に訳すトレーニングをする
単語や文法といった基礎知識を身につけた後は、正確に訳すトレーニング(精読)をしましょう。
精読のトレーニングをせずに長文を読んでいても、読めた気になっていて、正確な読解力が身につかない可能性があります。
正確に訳すためには、英文の中で主語はどの部分なのか、動詞はどれなのか、といったことを把握する必要があります。このような英文解釈のトレーニングを繰り返すことによって、スラスラと英文を理解できるようになります。
おすすめの問題集・参考書
英文解釈でおすすめの問題集は、『入門英文問題精講』です。
72問の問題に取り組むことによって、読解に必要な知識を身につけることができます。
ドラゴン・イングリッシュ基本英文100の著者である竹岡先生による分かりやすい解説により、英文の構造を深く理解することができるようになります。
3. 自分に合ったレベルの長文を読む
基礎知識が身につき、英文解釈の基礎も身についたら、自分に合ったレベルの英文を読みましょう。
いきなり難しい長文を読むのではなく、「自分に合ったレベル」であることが大切です。
言語学者のスティーブン・クラッシェンは「インプット仮説」の中で、理解可能な大量のインプットを学習者が理解することによって、無意識的に言語を学んでいくと主張しています。
参考:Principles and Practice in Second Language Acquisition
「自分に合ったレベル」を定義することは難しいですが、未知語が少ない長文を継続して読むのが良いでしょう。
読むのにかかる時間は気にしなくてもよい
最初のうちは、英語長文読解に時間がかかってしまうことがありますが、気にする必要はありません。
まずは時間をかけて、しっかりと内容を理解することを目指しましょう。
おすすめの問題集・参考書
自分に合ったレベルの長文を読むためには、レベル別になった長文問題集がおすすめです。
私のおすすめは、旺文社の『大学入試 全レベル問題集 英語長文』です。
解説が非常に分かりやすく、文の構造や日本語訳、新出単語などを確認することができます。
1~6のレベルに分かれており、自分に合ったレベルを選ぶことができます。
また、アプリ等を使って無料で音声を聴くこともできます。
旺文社のHPによると、以下のようなレベル分けとなっているようです。
1 基礎レベル
旺文社HP
2 共通テストレベル
3 私大標準レベル
4 私大上位レベル
5 私大最難関レベル
6 国公立大レベル
そこまで長文読解に自信がないのであれば、1のレベルから順番に進めてみるのがおすすめです。
4. 速く正確に読むトレーニングをする
長文をある程度正確に読めるようになったら、読む速さにこだわる必要があります。
大学受験は時間との戦いです。制限時間内に大量の情報を処理しなければなりません。
英語長文を速く読むトレーニングとしておすすめなのが「音読」です。
長文を読む際に、以下の手順で音読するのが良いでしょう。
- 時間をかけてしっかりと英語長文を読む
- 解説がある場合は、しっかりと読んで本文を理解する
- CDなどの音源がある場合は、音声に合わせて音読する
- 発音に注意しながら自力で音読をする
- 本文を見ずにCDに合わせて音読する
- 本文を見ながら自力で音読する速さを速めていく
音読をするのにおすすめの問題集・参考書
上でもおすすめした通り、旺文社の『大学入試 全レベル問題集 英語長文』がおすすめです。
アプリ等を用いて音声を聴くことができるので、音読練習にピッタリです。
似たような問題集で、東進ブックスの『英語長文レベル別問題集』もおすすめです。
こちらも音声をダウンロードできるので、音読に最適です。
5. 多読をして背景知識を広げる
英語長文をある程度「速く正確に」読めるようになったら、多読をして背景知識を広げることがおすすめです。
自分が読んだことのある分野の長文であれば、スラスラと読むことができます。
このように、普段から背景知識を広げるトレーニングをすることによって、大学受験で「速く正確に」英語長文を読解することができます。
おすすめの問題集・参考書
上で紹介したような問題集を終えている場合には、自分の志望校や共通テスト(センター試験)の過去問を解いてみるのも良いでしょう。
様々なテーマがまとまった参考書が欲しいのであれば、河合塾シリーズの『やっておきたい英語長文』がおすすめです。
昔から受験生に人気のシリーズです。300、500、700、1000と分かれているので、まずは300から始めてみるのが良いでしょう。
問題集・参考書を選ぶのが面倒な方はスタディサプリがおすすめ
これまで英語長文読解力を上げるための方法や、問題集・参考書を紹介してきました。
「問題集や参考書を買うのがめんどくさい」「もっと効率的に勉強したい」
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まとめ
英語長文読解力の鍛え方を5ステップで紹介しました。
これら5ステップにしっかりと取り組めば、必ず英語長文読解力が向上します。
根気強く勉強していきましょう。何か質問があれば、是非コメントしてください。
高校生向けの英語4技能を伸ばす勉強方法についても以前の記事で紹介しています。是非参考にしてください。
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